徒然

思いついたら書きます

嬉野流対策の端角棒銀研究

はじめに

嬉野流への対策には棒銀が有効とされており、特に以下の記事は必見です。

west-shogi.com

しかし先の記事で深堀りされていない変化で負けることも多いので、研究ついでに記事を書いてみました。

基本図

まずは上記のブログに記載の嬉野流vs.棒銀の基本変化です。
☗68銀 ☖84歩 ☗79角 ☖85歩 ☗78金 ☖72銀
☗56歩 ☖14歩 ☗57銀 ☖13角 ☗48銀 ☖83銀
☗69玉 ☖84銀 ☗88金 ☖75銀 ☗78玉 ☖86歩
☗同歩 ☖同銀 ☗87歩 ☖同銀成! ☗同金 ☖86歩 (基本図)

☗88金と引かれる変化

今回掘り下げるのは基本図から☗88金と引かれた局面です。 (第1図)

この局面では ☗57角成 ☖同角1 ☗87銀打 ☖同金2 ☗同歩成 ☖68玉 (第2図)

上記ブログでは「それまで」と書かれてそれ以上深堀りされていませんが、後手-1300点ほどで緩手が一手出れば逆転されかねません。

第2図より後手は☖72金や☖52金右と固めてからゆっくり指す手、☖98とのように攻める手なども見えますが、ここでは☖85飛とします。 (第3図)

この飛車浮きで☗84銀と飛車先を止められる手がなくなり、紛れがなくなりやすいです。
ここでは先手の応手を2通り検討します。

☗76角

まずは第3図より☗76角と飛車に当てつつ☗43角成を狙った手を検討します。(第4図)

この手には
☖77と ☗同桂 ☖88飛成
として龍ができます。 (第5図)

第5図からは
☗78銀 ☖99龍 ☗58玉 ☖52金右
☗59金 ☖88金 ☗69銀 ☖86歩
としてと金攻めを見せれば後手勝勢です(-2000点)。 (結果1図)

☖59金

次に第3図より☖59金と寄り、玉の逃げ道を作る手を検討します。 (第6図)

ここでソフトは☖52金左と指す手を示していますが、私の棋力では意図がわからないため以下の変化を掘り下げます。

☖98と ☗同香 ☖89飛成 ☗78銀 ☖98龍 ☗76角
☖99龍 ☗43角成 ☖86桂 (第7図)

この☖98とが手筋で、ただ捨ての代わりに龍を作れます。
相手には馬を作らせますが、その後の桂取りを手抜いて攻め合います。
(もしかしたらこの角成りを防ぐ金上がりなのかもしれません)

第7図からは変化が多いのですが、一例を示します。
☗89歩 ☖78桂成 ☗同玉 ☖88歩 ☗21馬 ☖32銀
☗11馬 ☖89歩成 ☗69玉 ☖79と ☗58玉 ☖69金
☗35角 ☖59金 ☗同銀 ☖69と ☗57玉 ☖45金
☗53角成 ☖52香 (結果2図)

やや重い攻めですが、マムシのと金が先手陣を崩壊させます。
ここから☗33馬 ☖同銀 ☗43桂の頓死筋さえ気をつければ後手勝勢です(-1500点)。

最後に

将棋の記事は今まで書いたことがなかったのですが、嬉野流憎しのパワーでここまで書いてしまいました。
他の変化も掘り下げたら別記事で書こうと思います。


  1. ☖同銀の変化は☗87銀 ☖69玉 ☗88銀成 ☖同角 ☗87歩成 ☖88歩 ☗66銀 ☖89歩成 ☗57角 ☖99と のように着実に攻めていけば後手勝勢(-3000点)
  2. ☖69玉などと逃げた場合は☗88銀成と取っておけば飛車の横利きが通っておらず銀で桂香を取ったり☗87歩成から攻めたりすれば後手勝勢(-3500点)